ふたたび蝉の声
いろいろあるけど、前に進もうと思う。
五十歳を目前に控えた進は、
役者という職業を細々と続けながら、
東京で暮らしている。
最近ようやく順調に仕事が入るようになったが、
娘と妻のいる家庭内では、
どうにも居心地の悪さを感じるようになった。
ときどき、ふと漠然とした不安を感じることがある。
これから自分たちはどうなっていくのか……。
故郷で一緒に育った姉、友人。
老いていく父と母、
そして今の家族、妻と娘。
進の人生に関わる様々な人がいる。
そして、それぞれがひとりひとりの人生を生きている。
でも、どこかで重なり、繋がり、
そしてお互いの人生に何かのきっかけを与え続けていく――。
“人生は、長いようであっという間”
翻弄され、迷いながらも家族や人生と向き合い、
懸命に生きる人々を描いた群像小説。
ISBN:
9784093865357
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